1.ユダヤ人の歴史・考

ドレフュス事件

シオニズム運動の契機
アルフレッド・ドレフュスはユダヤ教の出身でしたが、ドレフュス事件当時はキリスト教に改宗しています。彼が改宗した理由は、家族や友人からの社会的圧力や、フランスの高級将校に昇進するために必要な条件の一つであったことなどが挙げられています。

ドレフュス事件とは
1894年、フランス軍情報部の上級将校アルフレッド・ドレフュスは、ドイツにフランスの機密情報を漏洩したとして逮捕され、軍法会議にかけられました。証拠は極めて不十分で、裁判は秘密裏に行われましたが、ドレフュスは有罪判決を受け、終身刑を宣告されました。

世論二分・再審
最終的に、1906年に再審が行われ、ドレフュスは無罪となりました。この事件は、フランス社会における反ユダヤ主義と不正義に対する闘いを象徴する出来事として、後世にも大きな影響を与えました。

ユダヤ教に復帰
ドレフュス自身は事件後にユダヤ教に復帰し、晩年はユダヤ教徒として生涯を終えました。彼は、自分がユダヤ人であることを否定することはなく、むしろユダヤ人であることを誇りに思っていました。

テオドール・ヘルツル
בנימין זאב הרצל
Herzl Tivadar
Theodor Herz

セオドール・ヘルツル（Theodor Herzl）とは
19世紀末から20世紀初頭にかけてのオーストリア＝ハンガリー帝国出身の政治思想家で、近代シオニズムの父とされています。

ドレフュス事件にショック
新聞記者としてフランスのドレフュス事件（1894年）の取材にあたったとき、いまだ根強いユダヤ人に対する偏見に遭遇してショックを受けた。

自身が経験した反ユダヤ主義やユダヤ人に対する迫害を背景に、ユダヤ人が自己決定的な国家を持つことが必要であると考え、シオニズム運動を提唱しました。

1896年に著した「ユダヤ国家の叙事詩」は、シオニズムの基本的な原理や目的をまとめたものとして、シオニズム運動の指導的文書となりました。

ヘルツルは、ユダヤ人国家建設のために積極的に活動し、パレスチナにユダヤ人の入植を進めるなど、シオニスト運動を推進しました。彼の思想や活動は、現代イスラエル国家の建設に大きな影響を与えました。

イスラエルへの移住：

20世紀初頭から第二次世界大戦後にかけて、多くのユダヤ人がイスラエル地域に移住しました。この移住は、シオニスト運動の影響や、迫害からの逃避を目的としたものがありました。

イスラエル建国
1948年に至る

迫害の現実
当時命を落とした人数は600万人以上

ロシア内
1891年のポグロム（ユダヤ人虐殺事件）を皮切りに、続く数十年間にわたって多くのポグロムが発生し、多数のユダヤ人が犠牲となりました。また、ロシア革命後の1917年からは、共産主義政権がユダヤ人に対する抑圧を行い、多くのユダヤ人が国外に逃れるようになりました。

ポーランド内
ポーランドはヨーロッパ最大のユダヤ人コミュニティを有していました。ナチス・ドイツによるポーランド侵攻後、強制労働や強制収容所への送致、虐殺などにより大きな被害を受けた。

ドイツ内
1933年のヒトラー政権成立後、ユダヤ人に対する迫害が強化され、1938年の「水晶の夜」を皮切りに大量のユダヤ人虐殺が行われました。ユダヤ人大量虐殺が行われ、多くのユダヤ人が命を落としました。

1８48年移民者
フォーティエイター

●行商人から身を立て、ウォール街で有名になった「ゴールドマン・サックス社」の創業者である、彼は１８４８年にフィラデルフィアに上陸して、２年間その地で行商をし、それから衣服店を開いて資金を増やしていったのである。

1848年移住者

投資会社創業
ドイツ系ユダヤ人たちの多くは徒手空拳の街路商人からキャリアを開始した。先住の貴族化したスペイン系ユダヤ人の軽蔑を尻目に、かれらは未開拓の分野に進出する。綿花、銀鉱、金鉱、鉄道、土地投機、そして当時は悪所扱いされていたウォール街で働いた。

ヨーロッパ各地のユダヤ系資本とのコネクションを武器として、国際的な資本移動の仲介役として活躍した。国際的資金調達こそ、ドイツ系ユダヤ人が所有・利権支配した投資銀行は、その後長らく、アメリカ国内の投資銀行業界を二分する勢力のひとつとして栄えた。

百貨店・通信販売業
ドイツ系ユダヤ人が最も威勢をふるった業種である。「Ｒ・Ｈ・メイシー社」「ブルーミングデール社」「ファイリーン社」「ラザラス社」「リッチ社」「ニーマン・マーカス社」など、今日、アメリカを代表する一流百貨店の相当多くが、ドイツ系ユダヤ移民が設立した小売商店に、その起源を発している。

ヤコブ・シフ
１８６５年に、虎の子の５００ドルを手にニューヨークに到着したユダヤ人ヤコブ・シフは、ブローカーとして成功した。１８７５年にソロモン・ローブの娘と結婚し、「クーン・ローブ商会」の主となる。日露戦争当時、財政難に苦しむ日本政府の発行した国債を一手に引き受けて、日本の窮状を救った話は有名である。

「リーバイス社」
世界で最初の最も有名なジーンズ製造会社となり、今でもジーンズはアメリカを象徴する衣服として若者の間で大人気である。サンフランシスコへやってきたのは１８５３年のことであった。この時、彼は２４歳の若者であった。

売れ残った「テント用の厚手の布地」から作業ズボンを作るという画期的なアイデアを思いつき、すぐ実行した。

アメリカン-ユダヤ人の人口
スペイン系ユダヤ人（スファラディム）を中心としてきたそれまでのアメリカ・ユダヤ人社会に、ドイツ系ユダヤ人が合流した結果、以後ようやくユダヤ人口も増加が目立ち始めた。１８４８年には総数５万人、１８６０年代半ばには２０万人に達していた。１８７０年以後は急速に衰え、１８８０年当時でもユダヤ総人口は合計２３万にすぎず、アメリカ全人口中の０.５％弱にしかならなかった。

しかも、彼らドイツ系ユダヤ人は、「同化主義ユダヤ人」であった。彼らが所有する百貨店の経営上の特色は、決してユダヤ色をみせず、あくまで地域社会の文化的・宗教的規範の中に溶け込もうという姿勢を貫くことであった。

大規模な
東欧ユダヤ移民の流入

ポグロムというロシア語は、「破滅させる、暴力的に破壊する」という意味を持っています。 歴史的にこの言葉は、ロシア帝国のユダヤ人以外の市民が地元のユダヤ人に対して行う暴力的な攻撃を意味します。 始めは、1821年のオデッサにおけるユダヤ人に対する暴動でした。

ロシア国内で始まった「ポグロム」（ユダヤ人迫害）の嵐で、大量の東欧ユダヤ人がアメリカに流入することになったのである。どっと押し寄せて来た。

東欧ユダヤ人はアメリカ・ユダヤ人口の８５％を占めるようになった。

１８８０年に２３万にすぎなかったアメリカ・ユダヤ人口は、１９００年にはついに１００万を突破した。この間の２０年間、アメリカ総人口が１.５倍増であったのに対し、ユダヤ人口は４.４倍に達したのであった。そして、その後も東欧ユダヤ人のアメリカ流入は続いて、２０世紀初頭までに総数２８０万人に達する莫大な数の東欧ユダヤ人がアメリカに流れ込んだのだった。

20世紀初頭の
ニューヨーク

世界一の過密地域
ニューヨーク市の中心部に近い移民集住地区「ロワー・イーストサイド地区」は、おびただしい数の移民集団が住み始めて超過密状態になった。１９１０年時の同地区には５４万２０００人が居住し、当時そこは、インドのボンベイを除けば地球上で最も人口密度の高い都市空間であったといわれている。

 この地区には貧困、過労、貧弱な食事に加えて、過密で不潔な住居、新鮮な空気と日光の不足など、病気を蔓延させるあらゆる条件が揃っていた。最も恐れられたのは結核で、この病気は「ユダヤ病」とか「仕立て屋病」として知られるようになり、１９０６年の「ロワー・イーストサイド地区」のユダヤ人の１０００人中１２人が結核におかされていた（病人の９０％は家で看病されており、貧しい人々はなかなか病院に行こうとはしなかった）http://inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhc100.html

ドイツ系ユダヤ人と
東欧系ユダヤ人の
違い

　白ロシアのピンスク地区出身で、イスラエルの第４代首相を務めた

１９０６年にピンスクの貧しい家具職人の娘、ゴルダ・マボヴィッツがミルウォーキーに着いたのも、この巨大なユダヤ移民の波の一つだった。この少女は、のちにイスラエルの第４代首相ゴルダ・メイアになる。

アメリカの歴史に詳しい野村達朗氏（愛知県立大学外国語学部教授）は、次のように述べている。

ドイツ系ユダヤ人（アップタウン居住）
宗教的には改革派ユダヤ教を奉じ、英語を取得して急速なアメリカ化を遂げていたドイツ系ユダヤ人はアッパーイーストサイドやアッパーウェストサイドの優雅なアパートメントに住んだ。

東欧系ユダヤ人（ダウンタウンに居住）
イーディッシュ語を話す正統派のユダヤ教徒で、極めて貧しかった。東欧系ユダヤ人の移住が増えるにつれ、シナゴーグ（ユダヤ教会堂）は急増した。大部分の会衆は、故郷のシュテートル（小都市）出身者からなる小さな団体であった。信仰熱心なメンバーが聖書を読んだり、故郷の情報を得たりする溜り場でもあった」

この東欧ユダヤ移民は、
１９２４年に終焉を迎える。

アメリカ合衆国が新たに「移民法」を制定して、東ヨーロッパからの移民を制限したためである。

ロシアに残ったユダヤ人と「ロシア革命」

ロシア革命指導部13陣中11人がユダヤ系
政治局員クラスでは以下の人物が挙げられる。

ジノビエフ（ユダヤ人）
カーメネフ（ユダヤ人）
ブハーリン（ロシア人、妻がユダヤ人）
スヴェルドロフ（ユダヤ人）
クイブイシェフ（ウクライナ人、秘書がユダヤ人）
ヴォロダルスキー（ユダヤ人）
ウリツキー（ユダヤ人）
ルイコフ（ロシア人）
カリーニン（ロシア人）
ソコリニコフ（ユダヤ人）
ラデック（ユダヤ人）

ロシア革命直後に掲載した革命の中心メンバーの一覧表によると、５０人中４４人までがユダヤ人である

ユダヤ人によって創立された労働運動の母体であるリトアニア・ポーランド・ロシア・ユダヤ人労働者総同盟「ブント」、また、シオニスト社会主義労働者党、ユダヤ人社会主義労働者党、社会民主主義労働党などの、ユダヤ人による社会主義、民主主義諸政党も盛んに活動していた。

アメリカのユダヤ人社会は、ロシアのユダヤ人革命家たちに多額の援助を与えていた。例えば、ヤコブ・シフは、トロツキーらを通じて当時の金で１２００万ドルという巨費を出している（トロツキーは２番目の妻が「クーン・ローブ商会」と親類関係にあった。

マルクスの妻の姻戚にはロスチャイルド家があり、革命支援を行ったいたと考えられます。

「反ユダヤ運動撲滅に関する告示」を公布(1918）
赤軍に対して次のような演説を行っている。「反ユダヤ主義とは、勤労者をして彼らの真の敵、資本家から目をそらせるための資本主義的常套手段にすぎない。ユダヤ人を迫害し、追放せる憎むべきツァー政府よ、呪われてあれ！ ユダヤ人に敵対し他民族を憎みたる者よ、呪われてあれ！」

スターリンによる
ユダヤ人迫害

スターリンの権力体制への移行
個人企業家は全面的に禁止された。多数のユダヤ人が階級の敵であると宣告された。彼らは選挙権を失い、高等教育を受ける権利や医療を受ける権利、食料切符を受ける権利を失った。

ユダヤ人解放運動の終焉
レーニンの死
トロッキーの追放
嵐の粛正
アメリカとの貿易関係の終わり

ナチスを逃れて
1933～

25万人移住（移民法の制限）
アメリカは移民の受け入れを制限していたので、数はそれほど多くはない。しかし、この時やってきた人々には科学者、作家などが多く、アルベルト・アインシュタインなど、２０世紀を代表する知識人が混じっていたのが大きな特徴であった。

アメリカの知的職業にユダヤ人
アメリカのアカデミズムはユダヤ人の聖域と化した。自然科学においても、人文・社会科学において、ハーバード大学、プリンストン大学、コロンビア大学など研究スタッフはがっちりとユダヤ人で占められる状態となった。

アメリカのユダヤ人口
１９２５年で３８０万人、第二次世界大戦中の１９４０年時点で４８０万人となり、世界一のユダヤ人社会となった。

ユダヤ人人口2010年
イスラエル570万
アメリカ500万人を超える

地球大乱か
和解か
神の怒りか

軍事力を得たユダヤ人